野菜たっぷりのスープは単に体を温めてくれるだけでなく、インフルエンザなどのウイルス感染から身を守ってくれ、さらには最善のがん予防法になるといいます。
その名も『最強の野菜スープ』。
抗がん剤の世界的研究者である熊本大学名誉教授の前田浩先生の著書『最強の野菜スープ』はAmazonでもベストセラーなので、読まれた方も多いのではないでしょうか。
こちらページでは「最強の野菜スープ」の紹介と、余ったスープのアレンジ方法もご紹介します。
最強の野菜スープ 基本レシピ
免疫UPに効果絶大。がん予防にも効果的。そんな野菜スープ。
作り方はとっても簡単です。
材料切って、煮込むだけ。
味付けもなしでOKなんです!
<基本レシピ>
②鍋に野菜がかぶるくらいのお水を入れて、20~30分煮込みます。
③完成です。
※ミキサーやブレンダーで攪拌して、ポタージュにしてもOKです。
※お野菜を皮ごと使う場合は、できるだけ無農薬のものをおすすめします。
※初めに油で炒めてもOK(にんにくもお好みで)
野菜スープががん予防にも効果的な理由
がんをはじめ、ほとんどの病気や老化に密接にかかわっているのが「活性酸素」です。
活性酸素=猛毒といえるほどのものだそうです。
活性酸素とは、通常の酸素が変質したもので、激しく活性化し、他の物質を攻撃します。この作用を「酸化」といいます。鉄がさびるのも酸化で、活性酸素の仕業です。この状態が人体でも起きていると想像するとゾッとしますね。
この活性酸素を抑える方法があります。それは、野菜を食べることなのだそうです。
野菜にはがんを予防したり、老化を促進させる活性酸素の害から体を守る「抗酸化物質」が豊富に含まれるためです。
具体的には、野菜が有する色素や香り、苦み、辛みなどの成分である「ファイトケミカル」をはじめ、「ビタミンA・C・E」や、グルタミン酸、システイン、グリシンといった3つのアミノ酸が結びついた「グルタチオン」という成分などがこれに当たります。
ファイトケミカルやビタミンA・C・Eの健康効果はよく耳にしますが、グルタチオンとはどういった成分なのでしょうか。
大切な抗酸化物質 グルタチオン
ファイトケミカルや抗酸化ビタミンとともに、重要なのがグルタチオンです。
グルタチオンは、猛毒の脂質ラジカルを消去して、がんや炎症を予防します。
グルタチオンの抗酸化作用は、慢性肝炎、白内障、口内炎、皮膚炎、腫瘍、動脈硬化の治療薬に活用されるほど、優れているのだそうです。
グルタチオンは、緑黄色野菜のパセリ、ブロッコリーの花の部分、ホウレンソウに100g中12~16mgと特に多く含まれています。
そのほか、ピーマン、ブロッコリーの茎、カリフラワー、ジャガイモにも100g中4~7mg含まれています。
グルタチオンは、抗酸化作用のほかにも、発がん物質など有毒な物質と結合して、これを胆汁や尿から排泄する解毒作用があります。
また、体内で働くさまざまな抗酸化物質のリサイクルにも一役かっているそうです。
実はグルタチオンは体内でも作られるのですが、生成量は年齢とともに減るのだそうです。
その結果、活性酸素を抑えられなくなり、老化が進んだり、病気にかかりやすくなったりしてしまいます。
ここで野菜スープの登場です。
グルタチオンは水に溶ける性質があり、野菜を煮るとスープに溶けだすのです。
スープから取り込んだグルタチオンは、腸から吸収され、血液によって全身に運ばれ、抗酸化作用を発揮します。
サラダやスムージーでは野菜の栄養を丸ごと吸収できない
では、野菜を使った他の調理法ではどうなのでしょうか。
実は、サラダやスムージーなど生の野菜のまま食べても、大事な健康成分を体で吸収しきれないのだそうです。
その理由は、野菜の細胞はとても硬い細胞壁に包まれており、有効成分は細胞壁の中に閉じ込められているからです。
有効成分を効率よく取り込むためには細胞壁を壊す必要があります。
野菜を加熱することで、硬い細胞壁が壊れ、栄養成分が中から溶け出してきます。
つまり、野菜を加熱し、ゆで汁も一緒に飲めるスープは、野菜の栄養成分を効率よく摂取できる食べ方なのです。
ビタミンCは熱に弱い?は誤解
野菜を煮ると聞くと、「ビタミンCが壊れるのでは?」と疑問に思いませんか?
実はこれには誤解もあります。
加熱するとビタミンCが壊れるのは、あくまでビタミンCを「単体」で熱した場合なのだそうです。
実験室で科学的にビタミンC単体を加熱すれば消失しますが、野菜の過熱調理では、野菜に含まれる他のさまざまな抗酸化物質の働きで、ビタミンCが安定して分解されにくくなるため、ビタミンCが壊れる心配はほとんどないのだそうです。
また、ビタミンC自体もほかの成分の酸化を抑えて安定させる役割を果たすとのことです。
相乗効果のすばらしさを感じますね。
健康効果が高まる野菜スープのポイント
① 野菜はハウス栽培よりも太陽によく当たった露地栽培物を選ぶ
露地物のほうが有効成分が多いとのデータがあるそうです。
② なるべく新鮮なうちに使う
時間が経つにつれてビタミンCなどの有効成分が消失するので、新鮮なうちに使いましょう。
③ 濃い緑の野菜を使う
スープの材料には5~8種類程度の野菜を使うのがおすすめですが、必ず使用してほしいのがホウレンソウやコマツナ、春菊、ブロッコリーなどの濃い緑の野菜。
緑色の色素成分は「クロロフィル」というファイトケミカルですが、同時に「ルテイン」や「β-カロテン」などのカロテノイド色素を伴って野菜のなかでも特に強力な抗酸化作用を発揮するからです。
④ キャベツや白菜の外葉は抗酸化力が高い
一番外側の葉は、内側の白い部分の10~50倍も活性酸素を消去する力が強いそうです。
無農薬のものを選ぶか、そうでなければ一番外側のみ取り除くか、しっかり水洗いして使用するのをおすすめします。
⑤ お汁も一緒に飲む
野菜に含まれる抗酸化物質やビタミン類、水溶性の食物繊維の多くは、スープに溶け出しています。残さず飲みきりましょう。
⑥ 沸騰させすぎてふきこぼすと、大切な抗酸化物質が流出してしまうので注意
余ったスープはアレンジしてみよう
最後に簡単なアレンジもご紹介します。
大量に野菜スープを作ったら、気分によって味付けも変えてみましょう。
<アレンジ例>
+コンソメ or 塩コショウ(お好みで) ⇒ 洋風スープ
パスタをプラスしたり、豆やベーコン、きのこなどを追加しても良いですね♪
+コンソメ+カレー粉+ウインナー ⇒ カレー風味スープ
+お味噌 ⇒ 味噌汁
+鶏ガラだし+しょうゆ+ごま油+にんにく生姜 ⇒ ラーメンつゆ
+雑穀ご飯・麦飯 ⇒ お雑炊
他にもお餅・ちりめんじゃこ等を追加しても美味しいですよ♪
野菜スープはたくさん作っておいて、冷凍保存することも可能です。
シンプルだからこそ飽きないように工夫することができます。
たくさんアレンジしてみて、新たな美味しさを発見してみるのもいいですね。
健康を保つために必要な野菜の摂取目安量は、成人で1日当たり350g以上とされていますが、野菜スープをつくって飲めば、目標の量は簡単に摂ることができそうですよね!
まとめ
高い効果が期待できる野菜スープのお話、いかがだったでしょうか。
日々の食事は薬以上にクスリとも言います。
野菜や果物をとるだけで植物の力をもらい、最大の脅威である活性酸素から身を守ることができるのです。
簡単に完成するのに素晴らしい効果が見込める最強の野菜スープ。
毎日の習慣にできたら、最強かもしれませんね。
野菜スープを習慣にして、免疫UP、病気にならない体作りをしていきましょう。
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もっと知りたくなった方はぜひ書籍を手に取ってみてください。
参考書籍:『最強の野菜スープ』前田浩著(マキノ出版)